当センターを利用した研究成果の紹介

 東北大学金属材料研究所の芝隼人特任助教らは、2次元に自由度が制約されたガラス固体では、結晶性物質と同じしくみで莫大な音波ゆらぎの増幅が生じることを、自然科学研究機構計算科学研究センターのスーパーコンピュータを用いたシミュレーション計算により世界で初めて見出しました。
 ガラス物質は液体のように乱れた原子配列を保ちながら、固体の性質である硬さも伴います。そのため、ガラス物質が示す性質のうち、結晶(規則正しい原子配列を持つ物質)の性質とどこまでが共通し、どこが異なるのか、長い間検討されてきました。続きを読む

ランタニド錯体の内核f−f発光は熱センサーなどとして広く用いられている。発光過程は、基底一重項 S0 状態から配位子Sn状態への励起に始まり、最低三重項T1状態への項間交差(ISC)、配位子T1 状態からランタニド4f5 5DJ励起状態への励起エネルギー移動(EET)、5DJ 状態から5D4状態への内部変換(IC)、f−f遷移による緑色発光で起こる。この一連のイベントにT1からS0へのISCが競合すれば、発光は弱まる。3種のTb3+錯体にたいし、これらのイベントが起こる遷移状態や交差状態を最近開発した反応経路自動探索(GRRM)戦術で決定し、発光強度の温度依存性の起源を明らかにした。続きを読む

認知症の1つであるアルツハイマー病はアミロイドベータペプチドというペプチドが凝集して不溶性のアミロイド線維を形成することで引き起こされる。超音波によるアミロイド線維の破壊過程を分子動力学シミュレーションにより解明した。超音波により圧力が低くなった時にアミロイド線維の周囲に気泡が生じ、圧力が再び正になった時に気泡が崩壊し水のジェット流によりアミロイド線維が破壊される。

H. Okumura and S. G. Itoh, J. Am. Chem. Soc. 136 (2014) 10549-10552.

 自然科学研究機構分子科学研究所の倉重佑輝助教、柳井毅准教授および米国プリンストン大のGarnet Chan教授らの研究グループは、高速量子アルゴリズムを用いることで、光合成酸素発生反応中心であるマンガンクラスタの電子の量子的振る舞い(波動関数)をほぼ完全解の精度で数値シミュレーションすることに成功しました。続きを読む

分子動力学計算を用いて、均質氷の秩序が崩壊し、乱雑な液体の水へ相変化する融解ダイナミクスを再現した。乱れを定義する新しい尺度を開発する事で、単純な欠陥の集合では融解が起こらないが、水素結合ネットワークの”からまり”を生じさせる欠陥対の分離が融解を導く事を明らかにした。

K. Mochizuki, M. Matsumoto, and I. Ohmine
Nature 498, 350-354 (2013)
Defect pair separation as the controlling step in homogeneous ice melting

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