機能ダイナミクスは、生体分子マシンが働く仕組みを理解する上で必要不可欠である。例えば、膜輸送タンパク質(トランスポーター)は、内向き開構造と外向き開構造の間をいったりきたりすることで、膜をこえた基質輸送を行っている。このような生体分子マシンの全原子モデルでのシミュレーション系は数十万原子数にも及び、機能発現にかかる時間ミリ秒スケールの直接的なシミュレーションは困難であるが、ダイナミクスの促進や遷移ダイナミクスを集中的にサンプリングする手法によって、機能発現の瞬間の分子メカニズムを解明している。
K. Okazaki, D. Wöhlert, J. Warnau, H. Jung, Ö. Yildiz, W. Kühlbrandt and G. Hummer, Nat. Commun. 10, 1742 (2019)
アミド化合物は広く医農薬品に利用されています。スーパーコンピューターを利用した量子化学計算によって、アミド化反応を高効率に実現するNb2O5表面の触媒活性の要因を明らかにしました。
P. Hirunsit, T. Toyao, S. M. A. H. Siddiki, K. Shimizu, M. Ehara, ChemPhysChem (2018).