平成17年度スーパーコンピュータワークショップのご案内

超高速シミュレーターが切り開く分子科学の諸相:若手研究者による理論・方法論展開とその展望

日時 平成18年3月6日(月)、7日(火)
会場 岡崎コンファレンスセンター

 近年の計算機性能の長足の進歩は、以前では実現が困難であろうと思われていた大規模な計算への道を拓き、さらに現実的な系への適用を念頭においた理論及び計算方法論の洗練・発展を促す一翼を担うまでになってきています。生体分子などの大規模シミュレーションなどの方法論の発展と相まって、高速処理により可能となった長時間・大規模スケールの計算による研究を通した結果から、その理解に基礎理論研究から得られてきた多くの知見を反映させる重要さも増してきていることも事実でしょう。このことは、シミュレーションの力場の改良や量子化学をもとにしたモデルの構築等にも垣間見られ、また直接分子シミュレーションと電子状態理論を組み合わせた方法などへの展開を促しました。

 そこで、今回このような問題に精力的に取り組んでおられる若い研究者の方々を講師にお招きし、理論・計算方法論の新たな展開を議論し、今後の分子科学を広く展望するためのワークショップを企画しました。また、今ワークショップでは次期導入予定のスーパーコンピューターに関する説明も行います。

 参加規模者は、下記参加申し込みフォームに必要事項をご記入の上、計算科学研究センターワークショップ担当係(ws@draco.ims.ac.jp)までお申し込みください。ただし旅費をご希望の方は、事務手続きの都合上、2月10日(金)までにお申し込みください。

参加申し込みフォーム

2006年スーパーコンピューターワークショップ講演プログラム

2006年3月6日(月)
午後
1:30-1:40 始めに 永瀬 茂(センター長)
1:40-2:00 次期導入超高速分子シミュレーターの概要 森田 明弘(計算センター)
2:00-2:50 座長 森田
超高速分子シミュレーターシステムの解説 青木 正樹(富士通 ソフトウェア事業本部 ミドルウェアコンポーネント事業部 第二開発部部長)
田坂 隆明(SGI HPCコンサルティングセンター チーフHPCコンサルタント)
2:50-3:30 座長 森田
講演
MO・MD計算用入力生成ライブラリ“IGNITION”の開発
岡崎 進・山田 篤志(計算センター)
生田 靖弘・石村 和也(分子研)
3:30-4:00 休憩
4:00-4:30 座長 石田
講演
第一原理量子拡散モンテカルロ法、分子科学計算を中心とした最近の進展
前園 涼(物質材料研究機構)
4:30-5:00 座長 石田
講演
非相対論的および相対論的多配置摂動法の開発とその高速計算アルゴリズム
中野 晴之(九州大学)
5:30-7:30 懇親会
2006年3月7日(火)
9:00-9:10 ご挨拶 中村 宏樹(分子研所長)
9:10-9:40 座長 三浦
講演
細孔内の水とアルゴンの相転移と相図
甲賀 研一郎(岡山大学)
9:40-10:10 座長 三浦
講演
Dynamics in supercooled molecular liquids
鄭 誠虎(分子研)
10:10-10:40 座長 三浦
講演
分子シミュレーションと溶液理論の結合による溶媒和の自由エネルギー解析
松林 伸幸(京大化研)
10:40-11:00 休憩
11:00-11:30 座長 斉藤
講演
タンパク質の機能の分子動力学シミュレーション
池口 満徳(横浜市立大学)
11:30-12:00 座長 斉藤
講演
SAC-CI法による光生物学へのアプローチ
長谷川 淳也(京大工)
12:00-12:30 座長 斉藤
講演
カルシウムポンプとその阻害剤の分子動力学計算
杉田 有治(東大・分子細胞学研究所)
12:30-12:40 おわりに 岡崎 進(計算センター)