「遷移状態波束計算による量子論的反応確率の決定」
講演者氏名 | 南部伸孝 |
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所属 | 分子科学研究所 |
講演タイトル | 「遷移状態波束計算による量子論的反応確率の決定」 |
講演概略 | 正確な量子論的扱いによる遷移状態理論は、1974年のW.H.Millerによる理論的構築[J. Chem. Phys. 61(1974)1823]から始まる。 それによるとある化学反応のミクロカノニカルな反応定数k(E)あるいは、温度依存性k(T)は反応確率(Cumulative Reaction Probability)N(E)により求めることが出来る。 そこで、このN(E)を求める方法として、現在までに主に二つの方法が提唱されている。 一つは系を時間非依存に扱い、反応確率演算子の固有値の和としてN(E)を求める方法であり、もう一つは時間依存による扱いとして波束計算を行い求める方法である。 我々は後者の波束計算による方法に着目しさらに、遷移状態付近のみで波束計算を行うことにより決定する方法を開発している。 本講演では、ベンチマーク的系であるO(^3P)+HCl反応をもとに時間依存における幾つかの方法を取り上げ、計算時間やメモリー量等の比較を行い、4原子分子以上の系への応用を考える予定である。 また、センター職員としてMolpro2000.1を用いたベンチマークの雑談もやりたいと思っております。 |