センター設立の目的と経緯

 岡崎国立共同研究機構計算科学研究センターの前身である分子科学研究所電子計算機センターは、実験データの収集解析、分子科学プログラムライブラリの開発と整備、分子科学データベースの開発、広域ネットワークへの参加、基礎生物学研究所と生理学研究所の計算処理、特に大学計算機センターでは実行の困難な分子科学の大規模理論計算などを重点的に行うことを目的に 1977年5月に分子科学研究所の研究施設として設立された。

 1978年6月には日立製作所製 HITAC M-180 2台の導入が決まり、翌年1月より利用者へのサービスを開始した。

 1979年9月には全国にさきがけて無人運転システムが稼働を始め、長期にわたる連続無人運転を可能にした。

 1980年4月にはM-200HとM-180それぞれ1台の構成となり、さらに1982年4月にはM-200H 2台のシステムに更新された。

 1986年1月には、かねてから分子科学研究者の夢であったスーパーコンピュータ(HITAC S-810/10)が導入され、同時に汎用機として当時、最高性能を誇ったM-680Hへの更新が実現した。その後も分子科学計算の計算規模は拡大の一途をたどり、1988年にはスーパーコンピュータの性能向上(S-820/80)が行われ、1991年には汎用計算機(M-680H)の主記憶増強がなされた。

 1994年には、スーパーコンピュータが日本電気製SX-3/34Rに更新され、1995年には、汎用計算機が日本電気製 HSP及び IBM製並列計算機SP2を主計算サーバとして含む分散型の高速演算システムへと更新された。これによりセンターの全ての計算機がUNIXオペレーティングシステム(OS)を基本とするOSの上で稼働するようになった。

 1999年には、汎用計算機が日本電気製 SX-5 及び IBM製並列計算機 SP2 に更新され、2000年には、スーパーコンピュータが富士通製 VPP5000 及び SGI製 SGI2800 に更新された。

 2000年4月1日付けで、分子科学研究所電子計算機センターは、我が国唯一の分子科学計算のための共同利用基盤センターとしての経験を活かし、バイオサイエンス分野における計算科学的手法を更に強化・高機能化する目的で、既設の 分子科学研究所電子計算機センター を 岡崎国立共同研究機構 共通施設計算科学研究センター に転換した。

図: 組織図(法人化後)

 

 2004年には、汎用計算機が日本電気製 SX-7 及び TX-7 に更新された。

 また、国立大学法人化に伴い、2004年4月1日付けで、岡崎国立共同研究機構 共通施設計算科学研究センター を 自然科学研究機構 岡崎共通研究施設 計算科学研究センター に転換した。

 2006年には、スーパーコンピューターがSGI製 Altix4700 及び富士通製 PrimeQuestに更新され、2008年には汎用コンピュータが日立製作所製 SR16000に更新された。
 2012年には、スーパーコンピューターは富士通製 PRIMERGY RX300、PRIMEHPC FX10 及び SGI製 UV 1000 に更新された。
 2013年には、汎用コンピューターは富士通製 PRIMERGY CX250に更新された。
 

 2013年現在におけるセンター職員は、センター長(併任)、教授 1名、准教授 1名、助教 5名、技術職員 6名 から構成されている。

 今後、共通研究施設の計算基盤研究センターとしてはもちろん、国内外の分子科学研究者、バイオサイエンス研究者に大学等の研究機関では処理が困難な大規模な計算処理環境を提供する共同利用施設としての基盤強化を目指す。
 2015年には、汎用コンピュータが富士通製 PRIMERGY CX2550M1に更新された。