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複雑分子系の化学反応のシミュレーション

ランタニド錯体の内核f−f発光は熱センサーなどとして広く用いられている。発光過程は、基底一重項 S0 状態から配位子Sn状態への励起に始まり、最低三重項T1状態への項間交差(ISC)、配位子T1 状態からランタニド4f5 5DJ励起状態への励起エネルギー移動(EET)、5DJ 状態から5D4状態への内部変換(IC)、f−f遷移による緑色発光で起こる。この一連のイベントにT1からS0へのISCが競合すれば、発光は弱まる。3種のTb3+錯体にたいし、これらのイベントが起こる遷移状態や交差状態を最近開発した反応経路自動探索(GRRM)戦術で決定し、発光強度の温度依存性の起源を明らかにした。

M. Hatanaka and K. Morokuma, Exploring the reaction coordinates for f-f emission and quenching of lanthanide complexes – thermo-sensitivity of terbium(III) luminescence. J. Chem. Theo. Comp. 2014, 10, 4184-4188.